当科の理念

 「細心に熟慮し妥協せずに診療を全うし、患者さんの利益を守る

平成28年10月1日付で外科学系呼吸器外科学分野主任教授に着任いたしました櫻井裕幸と申します。

私は、前任地である国立がん研究センター中央病院では呼吸器外科に所属し、おもに肺がん診療に従事してまいりました。

近年、肺がんは罹患数および死亡数ともに全癌腫の中でも上位を占めており、今後も増え続けることが予測されています。
肺がん検診の普及や、気管支鏡やCTなどの診断技術の向上により、肺癌に対する手術件数も増加し、呼吸器外科の担う役割はますます大きくなっております。

肺がん患者さんの根治を目指して日々診療にあたっております。早期肺がんにおいては肺機能を温存した縮小手術、また進行がんにおいては呼吸器内科等他科との連携を密に集学的な治療を行います。
大学病院である強みを活かし併存症のある患者さんに対しても他診療科との連携を密に患者さんのニーズに対応できるきめの細かい診療をご提供させていただきます。

呼吸器外科分野での診療対象疾患といたしましては、肺癌をはじめとする呼吸器悪性腫瘍(転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍など)のほか、感染性疾患、気胸等がありますが、診断のわからない胸部X線・CTでの異常陰影のみの患者さんの精密検査などにも積極的に対応させていただきます。

これまでの圧倒的手術経験に基づき、本学の臨床医学系の最大の主題である「すべては患者さんの利益のために」をモットーとし、患者さん一人一人に最善の医療を提供し、日進月歩の医学知識と質の高い診療の維持向上に対する努力、明日の医学を開拓しようとする高い志をもって診療にあたる所存でございますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

日本大学医学部附属板橋病院
外科学系呼吸器外科学分野
主任教授 櫻井裕幸